野糞は最高に気持ちいい
街や公園で野糞をしたら軽犯罪法違反になり、アウトドアをしていてもキャンプ場や3,000mを超える山頂にトイレが整備されている日本では、よほどの緊急時以外なかなか経験できないのが野糞。
しかし野糞は最高に気持ちいいのです。
朝起きてテントから出たら、朝焼けを眺めながら排泄。
これが言葉にならない開放感をもたらしてくれます。
いっぱい歩いて登って、景色がいいところで排泄。
これが素晴らしい満足感を得ることができます。
PCTでは毎日いい景色を見ながら大小便をしていると、いい景色を見ると反射的に便意・尿意を催すパブロフの犬と化していました。
2018年は300回以上野糞をしたので、簡単に野糞のやり方を伝授いたします。
野糞の基本のやり方
- 場所選び・穴掘り
排泄物を分解するためには土に埋め、水源を汚染しないために水場から離れた所で野糞をしなければいけませんが、日本の官公庁が示した明確な基準が見つかりませんでした。
アウトドアの本場アメリカだとUS Forest Service(アメリカ合衆国森林局)が定めた基準や、私が歩いたPCTAが定めた基準がありましたのでそちらを参考にすると、キャンプ場・登山道・水場から最低61m離れた所で、穴を15-20cm堀り排泄してくださいとなっています。
- 排泄・お尻の清掃
準備が整ったら、あとは堀った穴めがけて排泄するだけです。
この時重要なのが景色を愛でることです。
排泄後はペットボトルの水で指を濡らしてそのまま指で肛門を拭う→手を前に出して水で洗う→肛門を拭う→指を洗う...という作業を綺麗になるまで繰り返します。
4-5回繰り返せば十分綺麗になっているでしょう。
- 埋める
排泄物の上から土をかけて、穴をしっかりと埋めてあげましょう。
これで野糞が完了です。
いわゆるインド式が一番簡単かつ軽量、清潔です。
野糞のおすすめ道具
インド式だと必要なものはスコップと水だけなのでそれぞれでおすすめを紹介します。
- スコップ
私が使っているのはMizo製のMOGというチタンスコップです。
重量が24g、長さ15.8cm、幅3.5cmと軽量・コンパクトなのでハイキングしていても邪魔になりません。
お気に入りポイントは、ナマズみたいなかわいいキャラクターが彫ってあることと、チタン製なのでガスコンロやバーナーで熱するとオリジナルの焼き色がつけられることです。かっこいいでしょ。
※焼き入れ作業による怪我や製品の劣化については自己責任でお願いします。
ペグが折れた時はペグの代わりにもなってくれました。
非自立式テントの場合はうんこの度にテントが倒壊するのでご注意ください。
- 水
ペットボトルの飲み口からそのまま水を出していると、必要以上に水が出てしまいます。
PCTハイカー大好きスマートウォーターのキャップみたいなものを取り付けて流量を調整してあげると節水できます。キャップを取り付けることによって100ccくらいでお尻を綺麗にできます。
水が豊富な地域だと気にする必要はありませんが、乾燥地帯だとうんこのせいで飲み水が不足し脱水症状になりかねません。節水は大事です。
野糞に不要なもの
- トイレットペーパー
我々野糞慣れしていない日本人はトイレットペーパーをぐるぐる巻き取って、お尻を拭き、トイレに流すというルーティーンを数万回と繰り返しているためトイレットペーパーは絶対必要な物と先入観があります。しかし、インド式にすればトイレットペーパーは不要です。
野糞について調べていると、拭き取った後のトイレットペーパーを燃やしたり、埋めたりしている人がいるようですが、言語道断です。絶対にやってはいけません。
本来、使ったトイレットペーパーは家に持って帰らなければいけません。
"Leave No Trace (痕跡を残さない)"は世界中のアウトドア愛好家のキーワードです。
しかし、うんこの着いたトイレットペーパーを持ち歩きたくないと思うのが人間心理でしょう。アウトドア活動で疲れた時や少し油断した時に”1回くらいいいか”と思ってしまうものです。
トイレットペーパーを持っていかないことで、捨ててしまうことを未然に防ぎましょう。
- 雪
水と似ているし肛門がキュっと引き締まって良さそうじゃないかと思い、雪を擦り付けてみました。
新雪だと結晶が尖っており、少し溶けても鋭利な氷の塊なので、擦り付けると突き刺さります。
血は出ませんでしたが激しい痛みに襲われるのでやめたほうがいいです。
そもそも、雪の上から土まで穴を掘るのも大変ですので、雪の所では我慢するのが良いでしょう。
- 携帯お尻洗浄機 (携帯ウォシュレット)
”野糞の基本のやり方”で示したように、手と水の方が完璧に綺麗になります。不要です。
携帯ウォシュレットを持って行くなら、小さいサニタイザーを持って行った方が、軽量で手とお尻の清潔度は上です。
上には上がいる
この記事を書くにあたって色々調べていたら、野糞の神様を発見しました。
”糞土研究会 ノグソフィア”というサイトを運営されている糞土師・伊沢正名先生。
プロフィールを見ると、1999年には年間野糞率100%を達成し、13年45日の連続野糞記録の持ち主という現代日本における野糞の救世主です。
嬉しいことに私の野糞法と、先生が提唱する"伊沢流インド式野糞法"が同じだったのです。
トレイルでの効率を考えて編み出した手法が、キャリア数十年のプロと同じ方法に行き着いたとは嬉しいものです。
野糞は犯罪です
冒頭でも書きましたが日本で野糞は軽犯罪法違反です。
【軽犯罪法第一条第27号】
街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
この条文に当てはまらない”街路又は公園その他公衆の集合する場所以外”でするようにしてください。
2019/08/04 追記
SodaPop