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【GDMBR】長距離バイクパッキングの機材選び【その1】

バイクパッキングをするにあたり最重要アイテムの自転車本体にフォーカスし、実際に選んだ機材を紹介します。

日々モデルチェンジするため同じ製品を買えないと思うので、機材自体ではなく選定した理由を参考にしてみてください。

本記事では下記3点を紹介します。

  • 特によかった機材
  • イマイチだった機材
  • 全機材一覧

 

特によかった機材

<フレーム> CHUMBA Yaupon Titanium

 当初はSurlyの自転車を買うつもりだったが新型コロナウイルスの影響でどこにも在庫がなく、前から気になっていた夢のオーダーチタンバイクを買ってしまった。
GDMBRを舞台としたレースTour Divideでも実績のあるメーカーなので旅バイクとして一つの最終回答だと思っている。
チタン製なので軽く、クロモリのように適度にしなり乗り心地が良く、耐久性も高くフレームについて一切の不満はない。また、無塗装のため塗装が剥げないというのも気に入っているポイントだ。

 

<リアディレイラー>SRAM GX Eagle AXS

今回の装備の中で一番冒険したのが無線の電動トランスミッションを採用したことだ。

信頼性を考えると絶対にワイヤー式を選ぶべきだが、リアディレイラーを外して飛行機に載せた後、空港で携帯工具しかない中でディレイラーの調整をするのは技術的に自信がなかったこと、電動化してライドに集中したいという思いもあったのでワイヤー式とかなり迷ったがSRAMAXSを選択した。

トラブルと言えば走行中に2回だけシフトできない事象が発生したが、バッテリーを着脱して再起動するだけですぐに復旧した。本当に快適に変速してくれたのでこの選択は大正解だった。テクノロジーを否定しないで良かったと思う。

上位機種は値段も高く、重量も軽いのでぶつけたときの耐久性が低いと判断してGXシリーズを選択した。

 

SHIMANO SAINT PD-M828

ロードバイクSPD-SLを使っているが、オフロード走行に自信がなかったので踏み面が広いDH用のフラットペダルを選択した。ビンディングほどの固定力はないが、少しでも足がズレないように長めのピンを装着。
走行中に何度岩にぶつけてもビクともせず、常にスムーズな回転を実現してくれた。間違ってもやわなプラスチック製ペダルを選んではいけない。多少の重量増には目を瞑って頑丈な金属製を選ぶべきだ。
GDMBRの他ライダーを見ると片面フラット・片面ビンディングを使っているライダーも多かった。

 

<タイヤ>Vittoria Mezcal III G2.0 27.5x2.6 TNT

GDMBRで使ったベストパーツを挙げるとしたら間違いなくこのタイヤだろう。グリップ、衝撃吸収、軽さ、堅牢性、すべてが高次元でまとまっていたと実感できた。
出会ったライダーの半数近くがこのタイヤを装着していて、装着率No.1だった。あえて難点を挙げるとすると自分が選択した2.6インチ幅は太すぎたくらいでタイヤ側の問題ではない。

GDMBRを走るのであれば、このタイヤをベンチマークとして下記条件の物を必ず選んで欲しい。
1.ドライ用のXCタイヤ
2.チューブレス
3.幅が2.2インチから2.5インチ


 

イマイチだった機材

<ハンドルバー>Ritchey Venturemax WCS 31.8 46cm

単体で見ると非常に優秀なフレア形状のドロップハンドルだが、ハンドルバーバッグを括り付けると上ハンドルのポジションを取りにくかった。

次にロングライドをするのであれば、フラットバーハンドルとエアロバーの組み合わせを選択したい。
フラットバーハンドルの弱点のポジションの少なさはエアロバーやブルホーン形状のグリップで解決できるし、幅の広いフラットバーハンドルはマウンテン区間(シングルトラック)でのコントロール性が上がるのもメリットだ。


<ハブダイナモ>Schmidt Son28 15 110mm Disc Iso 28 Hole Black Anodized

街での充電から解放されたいという思いから、ハブダイナモを中心とした充電システムを構築したが、結果的には失敗だった。
勾配のきついオフロード区間を走ると全く発電しない日もあり電源に不安を覚える日もあった。
軽量で抵抗も少ない通常のハブと急速充電ができる20,000mAh以上のモバイルバッテリーの組み合わせが正解だと考えている。

 

全機材一覧

バイスによっては見にくいが、参考にしてください。

 

パーツ メーカー 製品名 評価 コメント
フレーム CHUMBA Yaupon Titanium 当初はSurlyの自転車を買うつもりだったが新型コロナウイルスの影響でどこにも在庫がなく、前から気になっていた夢のオーダーチタンバイクを買ってしまった。
GDMBRを舞台としたレースTour Divideでも実績のあるメーカーなので旅バイクとして一つの最終回答だと思っている。
チタン製なので軽く、クロモリのように適度にしなり乗り心地が良く、耐久性も高くフレームについて一切の不満はない。また、無塗装のため塗装が剥げないというのも気に入っているポイントだ。
フロントフォーク ENVE Carbon MTN Rigid Boost フロントサスペンションは重量が重い。グラベル区間が大部分を占めるルートのため、衝撃吸収よりは速さを優先するためにリジッドフォークを採用した。
気になる衝撃吸収性は太いチューブレスタイヤのエアボリュームに任せることにしたことが安定感も増して良い結果になったと思う。
頑丈さは旅バイクの重要な要素なため、基本的に金属パーツを採用していたのでフロントフォークが唯一のカーボンパーツとなった。転倒した際の破損が気になるが、フロントフォークバッグを取り付け、その中身は衣類なの破損リスクは低いと判断してこのフォークを採用した。
ヘッドセット Cane Creek 110-Series ZS44|EC44 - Tapered Steerer - Black ChrisKingが定番だが、日本にルーツを持ちシンプルなデザインのCane Creekを選択した。製品名の110シリーズは110年保証の意味。
ステム ENVE Alloy Mountain 31.8 35mm カーボンパーツで有名なENVE製のステムだが、ハンドル回りは転倒した際に大きな力がかかるため絶対に金属製を選ぶべきだと思っている。
ハンドル Ritchey Venturemax WCS 31.8 46cm × 単体で見ると非常に優秀なフレア形状のドロップハンドルだが、ハンドルバーバッグを括り付けると上ハンドルのポジションを取りにくかった。

次にロングライドをするのであれば、フラットバーハンドルとエアロバーの組み合わせを選択したい。
フラットバーハンドルの弱点のポジションの少なさはエアロバーやブルホーン形状のグリップで解決できるし、幅の広いフラットバーハンドルはマウンテン区間(シングルトラック)でのコントロール性が上がるのもメリットだ。
リアディレイラー SRAM GX Eagle AXS - 12-Speed Long Cage 52T Max Lunar 今回の装備の中で一番冒険したのが無線の電動トランスミッションを採用したことだ。

信頼性を考えると絶対にワイヤー式を選ぶべきだが、リアディレイラーを外して飛行機に載せた後、空港で携帯工具しかない中でディレイラーの調整をするのは技術的に自信がなかったこと、電動化してライドに集中したいという思いもあったのでワイヤー式とかなり迷ったがSRAMAXSを選択した。

トラブルと言えば走行中に2回だけシフトできない事象が発生したが、バッテリーを着脱して再起動するだけですぐに復旧した。本当に快適に変速してくれたのでこの選択は大正解だった。テクノロジーを否定しないで良かったと思う。

上位機種は値段も高く、重量も軽いのでぶつけたときの耐久性が低いと判断してGXシリーズを選択した。
BB Cane Creek Hellbender 70 T47 30mm ヘッドセットと同様にChris Kingが定番だが、あえてCane Creekを選択した。可もなく不可もなく。
クランク Raceface TURBINE 170 BLK 170mmを選択したが、短足なので165mmにした方が良かったと思う。文字通り背伸びをしてしまった。
ペダル SHIMANO SAINT PD-M828 ロードバイクSPD-SLを使っているが、オフロード走行に自信がなかったので踏み面が広いDH用のフラットペダルを選択した。ビンディングほどの固定力はないが、少しでも足がズレないように長めのピンを装着。
走行中に何度岩にぶつけてもビクともせず、常にスムーズな回転を実現してくれた。間違ってもやわなプラスチック製ペダルを選んではいけない。多少の重量増には目を瞑って頑丈な金属製を選ぶべきだ。
GDMBRの他ライダーを見ると片面フラット・片面ビンディングを使っているライダーも多かった。
チェーンリング Wolf Tooth 34T DM Oval RF DMSRM 楕円のチェーンリングを今まで使ったことがなく、値段もSRAM 純正と同等なのでWolf Toothの楕円チェーンリングを採用した。
比較していないので効果のほどはわからない。
チェーン SRAM GX Eagle - 12-Speed 126 Links Silver/Gray フロント1速・リア12速(1x12)、掃除をしていない、オフロードを走っているというチェーンからすると3重苦の環境ということは理解しているが、たった2,800kmで寿命を迎えたことは納得できない。
カセット SRAM GX Eagle XG-1275 - 12-Speed 10-52T Black MTB用のカセットは見た目のインパクトもある。トップ側のギアが足りないので最高速は伸びないが、バイクパッキングの下りで目を三角にして漕ぐことはないので問題なし。
バッテリー SRAM AXS Battery リアディレイラー用のバッテリー。2個携帯して、うち1個は予備。
充電器 SRAM AXS Battery Charger Cord リアディレイラー用のバッテリーの充電器。モバイルバッテリーとの相性が良くなくてバッテリーを充電できないことが度々発生した。事前にチェックをすべきだった。
フロントブレーキ SRAM Rival eTap AXS HRD Flat Mount Black ドロップハンドルではブレーキ周りの選択肢は少ないのでSRAMの標準的な組み合わせ。
SRAMのブレーキオイルは自動車やオートバイと同じDOTオイルが使用されているので耐熱性は高い。それでも重い車体で30分近く連続してブレーキをかけ続けるシーンもありペーパーロックとなるのが怖かった。
リアブレーキ SRAM Rival eTap AXS HRD Hydraulic Flat Mount Black  
ブレーキローター SRAM Centerline X Disc Brake Rotor - 180mm 6-Bolt Steel Bolts Silver/Black  
ブレーキマウント SRAM 20mm Post Mount Adaptor  
ブレーキキャリパー SRAM Level TLM Post Mount Caliper  
バーテープ Wolf Tooth Wolf Tooth Supple-Lite Bar Tape Black  
リアハブ DT Swiss 350 6B-Disc Rear Hub, 28h, 12x148mm, HG  
フロントハブ Schmidt Son28 15 110mm Disc Iso 28 Hole Black Anodized × 街での充電から解放されたいという思いから、ハブダイナモを中心とした充電システムを構築したが、結果的には失敗だった。
勾配のきついオフロード区間を走ると全く発電しない日もあり電源に不安を覚える日もあった。
軽量で抵抗も少ない通常のハブと急速充電ができる20,000mAh以上のモバイルバッテリーの組み合わせが正解だと考えている。
  Raceface ARC OFFSET 35 27.5 28H GRY 19 幅が65mmのタイヤを受け止めるリムも金属製。走破性を考えると29インチのホイールだが、ギア1枚分軽くする方を優先して27.5インチ(650B)にした。足が短いのでいい選択だったと思う。
リアリム Raceface ARC OFFSET 35 27.5 28H GRY 19  
スポーク DT Swiss Dt Competition Black  
フロントタイヤ Vittoria Mezcal III G2.0 27.5x2.6 TNT GDMBRで使ったベストパーツを1つ挙げるとしたら間違いなくこのタイヤだろう。グリップ、衝撃吸収、軽さ、堅牢性、すべてが高次元でまとまっていたと実感できた。
出会ったライダーの装備をざっと見た限りで半数近くがこのタイヤを装着していて、装着率No.1だった。あえて難点を挙げるとすると自分が選択した2.6インチ幅は太すぎたくらいでタイヤ側の問題ではない。

GDMBRを走るのであれば、このタイヤをベンチマークとして下記条件の物を必ず選んで欲しい。
1.ドライ用のXCタイヤ
2.チューブレス
3.幅が2.2インチから2.5インチ
リアタイヤ Vittoria Mezcal III G2.0 27.5x2.6 TNT