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【4,250km】長距離ハイキングの必要書類【その3】

PCT4つの必要書類

1. PCT Long-distance Permit (PCT長距離許可証) <11月から>

2. California Fire Permit (カリフォルニア火器許可証) <1月から>

3. US B-2 VISA (アメリカ観光ビザ) <上記2つ取得後>

4. Canada PCT Entry Permit (カナダPCT経由入国許可証) <B2 VISA取得後>

 

前回California Fire Permitについて書いたので、

今回はUS B-2 VISA (アメリカ観光ビザ) の取得についてです。

 

US B-2 VISAとは

短期の旅行・治療を目的としてアメリカに入国する際に必要な査証です。

https://www.instagram.com/p/Be7Rid6BwuF/

アメリカは90日以下の観光・商用目的の入国に対してはビザ免除プログラムのESTAで事前にインターネット申請すれば入国できますが、PCTは4,250kmあり、全行程を歩き切るには4-6ヶ月かかりますのでB-2 VISAが必要となります。

 

ビザ取得までの流れ

基本的な取得までの流れは下記になります。

  1. DS-160ビザ申請書の作成(オンライン)
  2. ビザ申請料の支払い(オンライン)
  3. 面接予約(オンライン)
  4. 面接(大使館・領事館訪問)
  5. ビザ受け取り(郵送)

そして、面接時に必要な書類が下記になります。

  1. オンライン申請書DS-160フォーム
  2. 残存有効期間があるパスポート
  3. 過去10年間に発行された古いパスポート
  4. 証明写真1枚
  5. 面接予約確認書
  6. 補足書類

 

取得までの流れや・必要書類の細かいことはアメリカ国務省HPのビザ申請ページを確認すればわかりますが、問題は補足書類です。

 

アメリ国務省HPにはこのような記載があります。

INA 214(b) 条では、B-1/B-2 申請者は全員が移民希望者であると仮定しています。申請者は、以下を示すことによって、この法的な仮定を覆す必要があります。

  • ・渡米目的は、ビジネス、娯楽、治療など一時的な訪問であること
  • ・一定の、限られた期間のみ米国に滞在する計画であること
  • ・米国での滞在費をまかなう資金の証拠:預金通帳など
  • ・米国外に居住地があることに加えて、米国外に社会的・経済的な強いつながりがあり、訪問の終了時には確実に帰国すること

 

面接時に下記の書類を持参してください。書類については、コピーよりも原本が推奨されます。また、面接時は申請者本人がこれらの書類を持参しなければなりません。英語以外の書類には翻訳が必要です。補足書類を大使館もしくは領事館にファクス、電子メール、郵便で送付しないでください。

  • ・現在の収入、納税、財産、事業所有権、資産の証拠書類。
  • ・予定している旅行に関する旅程表やその他の説明。
  • ・職位、給与、勤続年数、休暇許可、米国への旅行に際して仕事上の目的がある場合はその目的、を詳述した雇用主の書簡。
  • ・刑期を満了済、もしくは恩赦された場合であっても、逮捕もしくは有罪判決などの犯罪歴/裁判歴。

要約すると”移民にならないことを証明してください” ”こんな書類で証明してください”ということです。

しかしこの書類があれば確実にビザを発行できますという明確な書類というものはありません。

 

何を補足資料とするか

観光ビザ(B-2)は留学用の学生ビザ(F-1)ほどメジャーではありませんが、先輩ハイカーがそれぞれブログ等にまとめてくれています。また、ウルトラライトハイキングで有名なショップ、ハイカーズデポさんにもアドバイスいただき下記8点(赤字)を補足書類として持参することとしました。

 

  SodaPop いわしっく 指さしスルーハイク Great Journey 旅する気象予報士 からあげ隊長
サポートレター

PCT長距離許可証

 
PCT 地図 ・歴史     

行程表

 

 
残高証明  
家族のレター    
戸籍謄本  
登記簿謄本  
カリフォルニア火器許可証          
休暇証明書        
オフィシャルガイド          
PCTAからの手紙          
家族の会社の在籍証明書          
PCT後の家賃の領収書          
著書          
開業届          
確定申告書          

 

 

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サポートレター

B2 VISA申請の概要を記したものになっています。

内容はハイカーズデポのスタッフの方が以前提出されたものを教えていただき、大いに参考にしました。

 

宛先を東京のアメリカ大使館宛としましたが、提出する大阪の領事館宛にするべきでした。というのも、面接を担当した外交官が面接後すぐに「あなたにVISAを発行します」と言ったので、VISA発行の権限は現地の外交官に降りていると思われます。結果的にはVISAが発行されていますが、権限がある所を宛先にしないのは不適切のように思います。

 

PCT地図・歴史

サポートレータに記載したPCTの概要をよりわかりやすくするために提出。

地図は"Halfmile's PCT Maps"が公開しているPCTの概要地図を印刷。詳細地図は印刷すると膨大な量になるので持って行きませんでした。

歴史はPCTAのホームページから歴史のページを印刷。

 

PCT長距離許可証

PCTを歩くために必要な手続きは済ましているとアピールするために提出。

以前の記事で紹介した”PCT Long-distance Permit (PCT長距離許可証)”に署名をして提出しました。

 

カリフォルニア火器許可証

PCT長距離許可証と同じく、PCTを歩くために必要な手続きは済ましているとアピールするために提出。

以前の記事で紹介した”California Fire Permit (カリフォルニア火器許可証)”に署名をして提出しました。

 

行程表

具体的な行程を明記している方が説得力があると思い提出。

PCTの行程表を自動生成してくれるCraig's PCT Plannerで作成しました。

私の入力事項は

・Plan name : PCT

・Starting Date : 4/25/18

・Trail Starting point : US/Mexico Border (選択式)

・Trail Ending pint : Mannig Park(選択式)

・Hiking Pace : 2.5(mi/h)

・Hiking day length : 9(hours)

・For every 1000 feet climbed, add : 45 minutes(選択式)

 

あとはPCT長距離許可証に記載されている終了予定日との整合性がとれるように、出来上がったプランにZERO DAY(休息日)を追加したり、入力事項をいじって完了です。

 

残高証明書

移民にならないことをアピールするには、十分なお金を持っていることが一番説得力があるため提出。残高証明書が最重要書類です。

SBI銀行で英文の残高証明書(即時発行・無料)、SBI証券で英文の株式等の残高証明書(1週間・1050円)を発行してもらいました。

 B2 VISAの発行に必要な残高の目安は200万円以上とのことです。

アメリカを普通に旅行をするには1日100ドル必要で、6ヶ月滞在するとなると180日×100ドル=18,000ドル。それに飛行機代等を入れると約20,000ドルという計算でしょう。

実際テント泊メインのPCTではそこまで金はかかりませんが、面接するのは外交官です。一般的な金銭感覚を持つ人を説得するには最低でもそれくらいの額は必要です。

 

家族からのレター

自力だけでなく家族からも支援してもらえることをアピールするために提出。

もし私が日本に帰国するための金銭的支援が必要になった場合は、母上様が全額支援し、そして私が家に帰ることを誓っていることが記されているありがたい手紙。署名もしてもらいました。

 

戸籍謄本

私と母の関係を証明することで、家族からのレターの信頼性を上げるために提出。

法務省が公開している日本法令外国語訳データベースシステムを参考にしてを戸籍謄本の英訳をしました。Aiko Lifeさんという方がすでに英訳版を公開されています。無駄に原本に近い見た目に整えてみましたが、大人しくAiko Lifeさんのをそのまま使えばよかったと後悔しています。

 

 

登記簿謄本

帰ってくる家のの所有権を証明することで、家族からのレターの信頼性を上げるために提出。

こちらも法務省が公開している日本法令外国語訳データベースシステムを参考にしています。日本語が難しすぎてどう英訳すればいいのかさっぱりわからなかったので、”土地”は提出せず、”建物”の登記簿謄本のみ提出しました。

 

 

私の登記簿謄本の英訳の信頼性はかなり低いので、一応日本法令外国語訳データベースシステム等で調べた結果を根拠として残しておきます。

 

書類が多くて面倒ですが、以上を揃えて面接に行きました。

サポートレター、家族からのレター、戸籍謄本、登記簿謄本(建物)についてはGoogle Driveに保存しているので、ご自由にお使いください。

PCTの本質は事務作業でなくトレイルを歩くことです。

無駄な事務処理の時間を削減しましょう。

 

次回はCanada PCT Entry Permitについてです。