SodaPop's

社会の役に立たないことをする人

【決定版】水まわり色々

NOBO(Northbound:北上)のPCTハイカーにとって、

灼熱の南カリフォルニアでの水の確保は最重要課題です。

色々試したので私なりの水回りの最適解を紹介します。

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1.水の確保

Water ReportGuthookのコメントをしっかり確認しましょう。

"Faucet is on (蛇口があるよ)"や2-3日前に"Flowing 5gal/sec (毎秒5ガロン流れてる)"なんて書き込みがあれば、確実に水を入手できます。そういう場所をメインの水場に据えましょう。

場所によってはコメントが古いものや流量が少ない場合もメインに据える必要は多々あります。そういう場合は、その次の水場までいけるように少し多めの水を持っていくなどの工夫が必要です。

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初めは脱水が不安で大量の水を持ち歩いたり、水不足になったりしますが、歩いていると次第に、

・次の確実な水場は何マイル先か

・今日の気温・勾配だと水の消費量はどれくらいか

・夕食は早めにこの水場で取ろう

・水場の手前でテントを張ろう

ということを考えて歩くようになりますので、徐々に適量を運べるようになります。

※Guthookは使用しませんでしたが、Water Reportより多くのハイカーが利用しているのでコメント数も多いので最も信頼性の高い情報のようです 

 

2.浄水方法

アメリカの川や湧き水にはジアルジアという寄生虫がいるため、感染症を防ぐためには基本的に浄水が必要です。

浄水方法は大きくわけて3種類あります。

浄水しない

浄水せずに生水のまま飲むツワモノハイカーも一定数います。数としては全体の1%くらいでしょうか(自分調べ)。

メリット:何もせずにすぐ飲める。最も楽な方法。

デメリット感染症のリスクがあることや、虫や藻が浮いていることやおしっこみたいな色の水も多々あるので、そうした水をそのまま飲むことを受け入れなければなりません。

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浄水器が壊れた時に何度か浄水せずに飲みましたが、虫が浮いてると気持ち悪いし、ジアルジアが不安で精神衛生上よくありません。

おすすめしません。

 

殺菌系の浄水薬を使う

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汲んだ水に殺菌成分が入った浄水薬を入れる方式です。

アクアミラのような製品を使う人もいれば、塩素系漂白剤を数滴入れるハイカーもいます。

メリット:水を汲んで薬を入れたら飲めます。浄水器のように圧をかけたりする必要はありません。そこそこ楽チンです。

デメリット:薬を入れてから少し待つ必要があります(アクアミラだと5分)。喉がカラッカラに乾いた時は浴びるほど水を飲みたい。そんな時にこの5分は地獄です。また、水に浮いた汚れは取り除けません。他には塩素を入れているので塩素臭がすることです。

利用者数は1%くらいです(自分調べ)。

 

浄水器を使う

圧倒的に多いのがこの方式。私も浄水器を使っていました。

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メリット感染症も防げて浮いた虫や藻も取り除ける。茶色い水も透明に。塩素臭もしない。水質は完璧です。

デメリット:浄水するには圧をかけなければいけないので、ある程度の労力が必要です。初めは浄水できる流量が多いですが、次第に小さなゴミが詰まって流量が少なくなります。

 

3.浄水器の種類

フィルターには様々な製品があり、PCTでよく見たのはこの4種類です。

 

SAWYER SQUEEZE

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メリット:私を含め多くのPCTハイカーが使用しているので万が一壊れても貸し借りできます。浄水流量も多く、接続口がペットボトルの口に適合するので汎用性が高く、ウォーターバッグが破れた際のリスクヘッジになります。超おすすめ。

デメリット:プラティパスのウォーターバッグと接続口が適合しません。漏れます。

 

SAWYER MINI

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メリット:SQUEEZEより1回り軽量コンパクトです。軽いので超UL系のハイカーがよく使用していました。

デメリット:浄水流量が少ないため浄水には時間がかかります。プラティパスと適合なし。

 

KATADYN BeFree

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メリット:ボトルの口が大きいので汚水を入れやすいです。また、ソフトボトルなので浄水時に圧をかけやすく、フィルターも大きいので浄水スピードがめちゃめちゃ早かったです。

デメリット:汚水を入れた後フィルターをしっかり装着したつもりでしたが何度も汚水が漏れしました。かなり閉め辛いです。また、接続口がBeFree専用なので汎用性が低く、ソフトボトルが破けたら浄水不可になります。

 

platypus GRAVITYWORKS

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メリット:重力の力で浄水するので労力0で浄水できます。ウォーターバッグに圧をかけないので破れるリスクが低くなります。

デメリット:汚水を高い位置に置かなければならないので場所の制約があります。浄水スピードは遅いので時間がかかります。プラティパスボトル以外と接続口が適合しないので汎用性が低い。

 

色々使ってみて、見てみて、聞いてみた結果SAWYER SQUEEZEをおすすめします。よほどのこだわりがなければSAWYER SQUEEZEを購入してください。

 

 

4.浄水器の運用方法

上記SAWYER SQUEEZEを使うとした場合でもその運用方法は3種類あります。

※ハイドレーションは無視

 

浄水器から直飲みスタイル

汚水を入れたペットボトルに浄水器を接続して直飲みするスタイルです。

メリット:汚水と浄水を分けて管理する必要がないので管理が楽。水を汲めばすぐに出発できる。

デメリット浄水器の分だけボトルが長くなるので飲みづらい。圧をかけたり吸わないと飲めないので、歩きながら飲みにくい(SAWYER MINIはまだマシ)。

飲み辛いので水の消費が多い場所には向きませんが、水の消費が少ないハイシエラやワシントンではおすすのスタイルです。

 

浄水用ペットボトル・汚水用ウォーターバッグ分別スタイル

水を汲んだ際に汚水を全て浄水するスタイルです。

メリット:ハイキング中に飲みやすい。

デメリット:水場の横で浄水しないといけないので蚊に噛まれる。ウォーターバッグの破損リスクが高い。

全般的にこのスタイルで運用していました。信頼性の高いウォーターバッグを用意するのがキモです。

 

浄水用ペットボトル・汚水用ペットボトル分別スタイル

上記と基本は同じです。

メリット:全てペットボトルで管理しているので破損リスクが低い。

デメリット:ペットボルは圧をかけ辛いので浄水作業に時間がかかる。

ウォーターバッグが破れた時にはこのスタイルで運用していましたが、浄水作業が面倒すぎて定着しませんでした。

 

5.水の保管方法

ペットボトル

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Smart WaterとLIFE WTRのボトルが最高に頑丈です。

同じボトルを最長2ヶ月使いましたが、汚いですが破損する気配すらありませんでした。

 

ボトルだけでなくキャップもおすすめです。700mlと1,000mlのボトルにだけこのボトルキャップがついています。素晴らしく飲みやすいので、このキャップを入手することをおすすめします

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ウォータバッグ

イチオシのSAWYERの浄水器はプラティパスのウォーターバッグは漏るので使用できません。

SAWYER浄水器付属のウォーターバッグは絶対におすすめしません。2日で破れたものもありました。合計3個使って3個とも破れました。

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20マイル(32km)以上水を補給できない区間で破れたこともあり、2Lの水を一気に飲み貯めして、涼しい夕方以降と早朝に必死に歩く必要がありました。

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信頼して使えたのはEVERNEWです。MADE IN JAPAN。

結局これも破れましたが破れるまでの期間が全然違います。2ヶ月は使えます。

アメリカの店舗ではほぼ売っていないので、オンラインで購入する必要がありますが、REIでは売っていません。日本から予備を持っていくのもいいかもしれません。

水の消費量が多いエリアでは2Lのバッグ2個持つのが使いやすかったです。

 

6.予備品

着替えのパンツすら持っていなかったので、基本的に予備品は持っていませんでしたが、水まわりだけ2種類の予備品を持っていました。

浄水器SAWYER SQUEEZEの接続部用パッキン

接続部に白いパッキンがありますが、このパッキンは品質があまりよくありません。

よく脱落するので紛失リスクが高いですし、強めに締めすぎすると漏れてしまいます。

予備を買うか、ハイカーボックスに壊れた浄水器が何個か入ってますので、パッキンだけ拝借しましょう。

 

ペットボトルキャップ

Smart Waterのボトルとキャップをおすすめしましたが、長期間使っているとボトルは大丈夫でもキャップが壊れてきます。

水漏れすると困るので軽い普通のキャップを1つ予備に持っておくと安心です。

自分は破損しませんでしたが、壊れた他のハイカーにあげました。

 

7.浄水器の清掃

SAWYERの浄水器は定期的に清掃しないと浄水流量が少なくなるので、付属の注射器で水を逆噴射して清掃する必要があります。

しかし、長期間使っていると逆噴射で取りきれない細かなゴミが詰まり、清掃の効果も弱まってきます。

完全に自己責任ですが下記の清掃で回復しました。

  1. 10倍-15倍に薄めた塩素系漂白剤を注射器に入れて逆噴射
  2. 1分くらい置いておく
  3. 10倍-15倍に薄めた塩素系漂白剤を注射器に入れて逆噴射
  4. 1分くらい置いておく
  5. 綺麗な水を5回くらい逆噴射して漂白剤を洗い流す

どうしても流量が少ないと感じる場合は試してみるのもいいかもしれません。

南ワシントンでこれを試してみましたが、ワシントンで1度もお腹を壊さなかったので浄水器の破損は無いと思われます。自己責任でお試しください。

 

まとめ

大事な大事な水についてわかる範囲でまとめてみました。

ひとまず、

浄水器:SAWYER SQUEEZE

ペットボトル:SmartWater, LifeWater

ウォーターバッグ:EVERNEW

これを買っておけば間違いありません。

 

あとは向こうでどうにかなります。

 

Happy Trails

SodaPop

【4,250km】海外ハイキングでの失敗例【PCT】

普段から山に行くことは多いけれど、今年歩いたPCTが初めての海外長距離ハイクということで、大小はあれど山ほど失敗しています。

 

その1. カナダの入国申請ができず

失敗

【4,250km】長距離ハイキングの必要書類【その4】 - SodaPop's

以前の記事でさらっと書いたが、 アメリカ滞在のVISAが届いたのでカナダへの入国申請をしようとカナダの国境サービスにメールを送ったら容量オーバーで送信できなかった。

しかも、送信できなかったことを通知するdaemonメールを受信していることに気付くのに1ヶ月以上かかってしまった。

ここまでならまだいいが、送信できていないことに焦ってしまい、メールを再送する際にdaemonメールに送信してしまった。それに気づくのに更に10日...

教訓

慣れないことはよく確認

 

その2. 食料を大量に郵送

失敗

アメリカの山メシについてあまり知らない状態で、次の街に食料がパンパンに入ったリサプライボックス(補給箱)を郵送したらどうなるか。

好きでもないものをハイキング中に延々食べるハメになる。

毎日歩いて疲れていると食事が唯一の楽しみになってるのに、頑張ったご褒美がマッシュポテトやトレイルミックスだったら最低だ。

街ごとにスーパーに寄って、自分の好みを把握するまでは郵送は控えるべきだった。

https://www.instagram.com/p/BkLrRszl9FK/

教訓

マッシュポテトを勧める奴は信用しない

 

その3. トレイルエンジェルの好意を拒絶

失敗

夕方にキャンプサイトに着いて夕食のマッシュポテトを食べていると、白人のじーさんハイカーが歩いてきて「水いるか?」と尋ねてくる。水は本当にぎりぎりだったがなんとか足りそうだったので、貰うのは悪いと思い「足りてるからいらないよ」と言って貰わなかった。するとじーさんは別のキャンプサイトに歩いて行き、他のハイカーに水を分けていた。

ここで初めてじーさんがハイカーじゃなくてトレイルエンジェルだと気付く。

トレイルエンジェルとは、ハイカーに食料や飲み物をくれたり、街まで車に載せてくれたり、家に泊めてくれるボランティア精神あふれる人のこと

トレイルエンジェルが帰り際に、「どこの国からきたんだ?あとほんの少しだけだから水あげるよ。」と優しく話しかけて水をくれた。

教訓

遠慮せず全ての好意を受ける そして感謝する

 

その4. 浄水器を水道の蛇口に直結

失敗

オートキャンプサイトの横を通ったときに水道の蛇口を発見した。

蛇口にネジが切ってあるので、持っていたSAWYERのペットボトル接続タイプの浄水器が接続できそうだと思い立つ。

カリフォルニアは暑く乾燥していて常に喉がカラカラなので一気に浄水して浴びるほど水を飲んでやろうと心が踊る。接続するとこの通り...

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最高だ。水は世界で一番おいしい飲み物だ。十分に水を補給してキャンプ場を後にする。

次の水分補給場所の川で浄水器を使うと、接続部分から大量に水漏れ。

写真の通り接続部から水が少し漏れているので若干合っていないのはわかっていたけど、蛇口は金属で浄水器はプラスチック。当然、浄水器が負けて接続部がズタボロにされていた。

そこから次の街までは不衛生な水を飲み、次の街で新しい浄水器を買うハメになった。

教訓

楽をしても横着はしない

 

その4. 小さいサイズの靴を買う

失敗

長距離ハイキングをしていると足が徐々に大きくなってくるという情報を事前に得ていた。2サイズ(10mm)大きいのを買うのがいいと言われていたけど、普段マラソンもしているしそこまで足が大きくならないだろうと高をくくり、1サイズ(5mm)だけ大きい靴を購入。

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足の至る所に巨大なマメ(水泡)ができ、痛みを緩和するために靴に穴を開けて指を靴から逃すハメになった。

教訓

守破離 まずは守

 

その5. うんこを漏らす

失敗

前日は遅くまで雪の上を歩いて靴が濡れていたせいで、朝起きると靴がカチカチに凍っていた。

便意で目覚めて、朝日を見ながらうんこをするのが日課になっていたが、靴が凍ってなかなか履けない。力を込めて無理やり足を入れようとすると漏れそうになる。でも我慢できるほどの時間がない。力を入れると漏れそう...時間が...力を入れ...

標高3500mの早朝、氷点下の中フルチンのアジア人が、汲んできた雪解け水で泣きながらパンツを洗っていました。

教訓

いつか漏れるからパンツの替えくらいは持って歩く

 

その6. 持っていく食料の量を間違える

失敗

ワシントン州まで歩けばハイキングに相当慣れてきて、食料から歩くペースから完全に自分のリズムができてくる。

しかしそれだけ歩いても3日+半日の食料を持たないといけないのに、3日分しか持っていかなかいという単純な計算ミスを犯す。

半日分くらい大丈夫でしょと思うかもしれないが、1日4000Kcal摂取していたので、朝食と昼食分で2500kcal以上不足していることになる。成人の1日分の摂取カロリーと同じだけ不足するのはかなり辛い。

緊急時用に持っていたオリーブ油をポテチに掛けてなんとか飢えをしのいだ。

教訓

オリーブオイルはファーストエイドキット

 

その7. Amazonの荷物が届かない

失敗

現代ハイカーの強い味方Amazon。田舎町にしか寄らないPCTでもマニアックな商品を買うことができる。ちょうどセールになっていた商品を購入して、受け取り先は次の街の郵便局。

5日間歩き郵便局に行くと購入した商品が届いていない。スマホでトラッキングしてみたら、全然違う街の配送センターに保管されていた。

Amazonに問い合わせてみると、地域によっては局留め配送に対応してないローカルの運送屋を使って配送する場合もあるとのこと。そして買うときに運送屋は選べない。

そういえばアメリカ人が買い物するならREIでしろよって言ってたな...

教訓

REIで買い物する

 

その8. DEETをぶちまける

 失敗

アメリカでは濃度100%の虫除け剤DEETが買える(日本では最高30%)。長時間に渡って強力な痒みを引き起こすアメリカの蚊に対抗するためにはこれくらい必要なんでしょう。

良く使うのでヒップベルトのポケットにコンパスやその他小物とDEETを一緒に入れていたら、蓋が緩んでDEET100%をぶちまけてしまった。

DEETはプラスティックを溶かす性質があるのでポケットの内側のコーティングを溶かし、コンパスも溶かしてお互いがくっついてた。

ビフォーアフターがこちら。

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教訓

DEETの保管はジップロックを2重に

 

その9. 雪に向かってジャンプ

失敗

6月上旬にシエラネバダ山脈(macOSでも有名な特に標高が高いHigh Sierraエリア)を歩いていると雪に行く手を阻まれる。

日中の気温は高いので、雪が一気に溶けて1歩進むたびに膝や太ももまで雪に埋もれてしまう。

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思い通りに距離が進まない上に短パンを履いていたのでスネの皮膚が雪に削られる。食料不足で死んでしまう恐怖と痛みによる恐怖を覚えながら何万歩、何時間も歩いていると次第にイライラが止まらなくなってくる。普段は慎重に歩く岩場の段差を1m下の雪までジャンプしてしまった。柔らかい雪と落下のエネルギーの組み合わせは当然最悪で、腰上まで埋まってう。

雪崩に巻き込まれたら身動きが取れず死んでしまうの同じで、こうなると全く身動きは取れない。本当に死ぬんじゃないかと思うくらい動けなかった。

幸い手は自由に動かせたので、必死に目の前の雪を30分かき分けてようやく片足が抜けた。と思ったら、靴が脱げて雪の奥底に残置されてしまった。シエラの山奥で靴がないと死んでしまうので、更に10分雪を掘り靴を救出した。

教訓

雪山の短パンハイクは非推奨 食料は多めに

 

 

初めての海外ロングディスタンスハイキング。

1回目は何しても失敗します。

ちなみにうんこは何回も漏らしています。

 

失敗学のすすめ (講談社文庫)

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【バックパック】HMG 2400 WINDRIDER【レビュー】

私がPCTを歩くために購入した初のUL系バックパックが、

HYPERLITE MOUNTAIN GEARの2400 WINDRIDERです。

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4,250km/131日使った結果、めちゃめちゃ気に入っています。

背中を任せられる相棒はこいつだけです。

 

HYPERLITE MOUNTAIN GEARについて

2010年に湿潤な気候のアメリ東海岸で生まれた、ULギアを製造するブランドです。

ULギアについて調べるまでハイパーライト・マウンテン・ギアなんてブランドは聞いた事もありませんでした。

最近まで名前も知らないようなブランドでしたが、PCTハイカーの間ではオスプレーに次いで2番目に使われていて、かなりポピュラーです。(自分調べ) 

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購入検討したバックパック

2400 WINDRIDERを買うまでに比較したバックパックが3種類。

結果的には相棒を選んでよかったんですが、それぞれ光るものがありました。

 

山と道  THREE

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見た目番長。

兎にも角にも見た目が好き。細部までしっかり作り込まれている。そして軽い。

ショップ店員やユーザーによるとかなり軽い分、耐久性には少し不安があるようです。

重量:594g / フレームレス

 

ULA EQUIPMENT  CDT

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背負い心地番長。

フレームレスなのが信じられないくらいバランスがよかった。背負い心地のブラインドテストをしたら絶対にこれを選んでいる。

メッシュポケットも深くて使いやすそう。

重量:680g / フレームレス

 

GOSSAMER GEAR  MARIPOSA 60 BACKPACK

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容量番長。

メッシュポケットは深くて伸縮性もあり、左側のサイドポケットは深いポケットが付いていて、右側は2段になっている。スナック類やDEET(虫除け)、衣類や濡れたテントなど、本体の外側に入れて持ちたい物は多いので、これほど便利なバックパックはない。

重量 : 865g / フレーム付き

 

なぜ2400 WINDRIDERなのか

https://www.instagram.com/p/BnSFmsHF9K4/

魅力的な競合を抑えて2400 WINDRIDERを選んだ理由は、

頑丈でシンプルだから。

耐久性と防水性を高めるために使われた厚い生地。

メインポケットとサイドポケットが1枚の分厚いメッシュでできていて、部品点数が少ない = 縫製箇所も少ない。

シンプルな構造は壊れない。そして美しい。

重量 : 799g / フレーム付き

 

2400 WINDRIDERの細部

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全く飾らない見た目は土囊袋にしか見えない。購入して家で改めて手に取ってみるとこの土囊袋に4万円も使ったのかと少し後悔した。

メインポケット(幅:22cm 深さ:27cm)は容量増と装備の落下防止のために、あと5cmくらい深さが欲しかった。 

 

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サイドポケットはペットボトルがちょうど取りやすいサイズになっている。暑い砂漠地帯もハイドレーションシステム無しで快適に過ごせた。

目が大きいメッシュなので地面に置いたペットボトルや脱ぎたてのマイクロスパイクをそのままメッシュポケットに入れても、内に砂が貯まらないのは嬉しい。

 

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ホイッスル付きでオレンジ色のチェストベルトの留め具とヒップベルトポケットのジッパーのタグが唯一のオシャレポイント。UL的にはタグは外すべきだった。

 

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ショルダーベルトについているメーカーロゴは購入時から取れかけている。

サイドにあるハイドレーション用の穴はマジックテープで開閉できるようになっていて、テントポールを刺すのにちょうどいい。毎日開閉していたら、すぐにマジックテープを固定する糸が取れてしまい開閉しづらくなってしまった。

構造に関係ないところは雑。細部はアメリカンクオリティーだ。

 

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本体の開閉はマジックテープ式。

中にはフレームを入れるスリーブが2つとハイドレーションシステム用のメッシュが1つ取り付けられているだけで、パッキングの自由度は高い。

フレームとフレームの間隔が9cmでちょうどバスポートが綺麗に収まるけど、許可証を印刷したA4の四つ折り(A6)は綺麗に収まらんな...などと考えていたけど、最終的にはメッシュ内にジップロックに入れたパスポート・お金・許可証類を適当に放り込んでいるだけだった。

 

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本体上部はY字のストラップが付いていてスリーピングパッドの固定に便利。

シエラネバダ山脈の一部の区間では、熊が人間の食料を食べないようにするBear Canister(ベアキャニスター)の携帯が義務付けられている。これを取り付けるためのY字ストラップだろうと思っていたけど、どう取り付けてもすっぽ抜ける。

滑り止めのテーピングを巻いてみたり、スリーピングパッドを敷いたり巻いたり、パッキングをやり替えて座りをよくしてみたり...全部だめ。

川の渡渉中や崖ですっぽ抜けて食料が無くなれば死亡が確定してしまうので、結局ベアキャニスターを中に入れて、防水スタッフサックに入れた衣類をスリーピングパッドで巻いてY字ストラップに取り付ける方法に収束した。

 

まとめ

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”シンプルな構造で頑丈な素材を使っていること以外は特筆すべき点がない” というのが特質すべき点で、自分にとって長く使っていける相棒、信頼できる相棒ってのはこういう道具です。