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【4,250km】海外ハイキングでの失敗例【PCT】

普段から山に行くことは多いけれど、今年歩いたPCTが初めての海外長距離ハイクということで、大小はあれど山ほど失敗しています。

 

その1. カナダの入国申請ができず

失敗

【4,250km】長距離ハイキングの必要書類【その4】 - SodaPop's

以前の記事でさらっと書いたが、 アメリカ滞在のVISAが届いたのでカナダへの入国申請をしようとカナダの国境サービスにメールを送ったら容量オーバーで送信できなかった。

しかも、送信できなかったことを通知するdaemonメールを受信していることに気付くのに1ヶ月以上かかってしまった。

ここまでならまだいいが、送信できていないことに焦ってしまい、メールを再送する際にdaemonメールに送信してしまった。それに気づくのに更に10日...

教訓

慣れないことはよく確認

 

その2. 食料を大量に郵送

失敗

アメリカの山メシについてあまり知らない状態で、次の街に食料がパンパンに入ったリサプライボックス(補給箱)を郵送したらどうなるか。

好きでもないものをハイキング中に延々食べるハメになる。

毎日歩いて疲れていると食事が唯一の楽しみになってるのに、頑張ったご褒美がマッシュポテトやトレイルミックスだったら最低だ。

街ごとにスーパーに寄って、自分の好みを把握するまでは郵送は控えるべきだった。

https://www.instagram.com/p/BkLrRszl9FK/

教訓

マッシュポテトを勧める奴は信用しない

 

その3. トレイルエンジェルの好意を拒絶

失敗

夕方にキャンプサイトに着いて夕食のマッシュポテトを食べていると、白人のじーさんハイカーが歩いてきて「水いるか?」と尋ねてくる。水は本当にぎりぎりだったがなんとか足りそうだったので、貰うのは悪いと思い「足りてるからいらないよ」と言って貰わなかった。するとじーさんは別のキャンプサイトに歩いて行き、他のハイカーに水を分けていた。

ここで初めてじーさんがハイカーじゃなくてトレイルエンジェルだと気付く。

トレイルエンジェルとは、ハイカーに食料や飲み物をくれたり、街まで車に載せてくれたり、家に泊めてくれるボランティア精神あふれる人のこと

トレイルエンジェルが帰り際に、「どこの国からきたんだ?あとほんの少しだけだから水あげるよ。」と優しく話しかけて水をくれた。

教訓

遠慮せず全ての好意を受ける そして感謝する

 

その4. 浄水器を水道の蛇口に直結

失敗

オートキャンプサイトの横を通ったときに水道の蛇口を発見した。

蛇口にネジが切ってあるので、持っていたSAWYERのペットボトル接続タイプの浄水器が接続できそうだと思い立つ。

カリフォルニアは暑く乾燥していて常に喉がカラカラなので一気に浄水して浴びるほど水を飲んでやろうと心が踊る。接続するとこの通り...

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最高だ。水は世界で一番おいしい飲み物だ。十分に水を補給してキャンプ場を後にする。

次の水分補給場所の川で浄水器を使うと、接続部分から大量に水漏れ。

写真の通り接続部から水が少し漏れているので若干合っていないのはわかっていたけど、蛇口は金属で浄水器はプラスチック。当然、浄水器が負けて接続部がズタボロにされていた。

そこから次の街までは不衛生な水を飲み、次の街で新しい浄水器を買うハメになった。

教訓

楽をしても横着はしない

 

その4. 小さいサイズの靴を買う

失敗

長距離ハイキングをしていると足が徐々に大きくなってくるという情報を事前に得ていた。2サイズ(10mm)大きいのを買うのがいいと言われていたけど、普段マラソンもしているしそこまで足が大きくならないだろうと高をくくり、1サイズ(5mm)だけ大きい靴を購入。

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足の至る所に巨大なマメ(水泡)ができ、痛みを緩和するために靴に穴を開けて指を靴から逃すハメになった。

教訓

守破離 まずは守

 

その5. うんこを漏らす

失敗

前日は遅くまで雪の上を歩いて靴が濡れていたせいで、朝起きると靴がカチカチに凍っていた。

便意で目覚めて、朝日を見ながらうんこをするのが日課になっていたが、靴が凍ってなかなか履けない。力を込めて無理やり足を入れようとすると漏れそうになる。でも我慢できるほどの時間がない。力を入れると漏れそう...時間が...力を入れ...

標高3500mの早朝、氷点下の中フルチンのアジア人が、汲んできた雪解け水で泣きながらパンツを洗っていました。

教訓

いつか漏れるからパンツの替えくらいは持って歩く

 

その6. 持っていく食料の量を間違える

失敗

ワシントン州まで歩けばハイキングに相当慣れてきて、食料から歩くペースから完全に自分のリズムができてくる。

しかしそれだけ歩いても3日+半日の食料を持たないといけないのに、3日分しか持っていかなかいという単純な計算ミスを犯す。

半日分くらい大丈夫でしょと思うかもしれないが、1日4000Kcal摂取していたので、朝食と昼食分で2500kcal以上不足していることになる。成人の1日分の摂取カロリーと同じだけ不足するのはかなり辛い。

緊急時用に持っていたオリーブ油をポテチに掛けてなんとか飢えをしのいだ。

教訓

オリーブオイルはファーストエイドキット

 

その7. Amazonの荷物が届かない

失敗

現代ハイカーの強い味方Amazon。田舎町にしか寄らないPCTでもマニアックな商品を買うことができる。ちょうどセールになっていた商品を購入して、受け取り先は次の街の郵便局。

5日間歩き郵便局に行くと購入した商品が届いていない。スマホでトラッキングしてみたら、全然違う街の配送センターに保管されていた。

Amazonに問い合わせてみると、地域によっては局留め配送に対応してないローカルの運送屋を使って配送する場合もあるとのこと。そして買うときに運送屋は選べない。

そういえばアメリカ人が買い物するならREIでしろよって言ってたな...

教訓

REIで買い物する

 

その8. DEETをぶちまける

 失敗

アメリカでは濃度100%の虫除け剤DEETが買える(日本では最高30%)。長時間に渡って強力な痒みを引き起こすアメリカの蚊に対抗するためにはこれくらい必要なんでしょう。

良く使うのでヒップベルトのポケットにコンパスやその他小物とDEETを一緒に入れていたら、蓋が緩んでDEET100%をぶちまけてしまった。

DEETはプラスティックを溶かす性質があるのでポケットの内側のコーティングを溶かし、コンパスも溶かしてお互いがくっついてた。

ビフォーアフターがこちら。

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教訓

DEETの保管はジップロックを2重に

 

その9. 雪に向かってジャンプ

失敗

6月上旬にシエラネバダ山脈(macOSでも有名な特に標高が高いHigh Sierraエリア)を歩いていると雪に行く手を阻まれる。

日中の気温は高いので、雪が一気に溶けて1歩進むたびに膝や太ももまで雪に埋もれてしまう。

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思い通りに距離が進まない上に短パンを履いていたのでスネの皮膚が雪に削られる。食料不足で死んでしまう恐怖と痛みによる恐怖を覚えながら何万歩、何時間も歩いていると次第にイライラが止まらなくなってくる。普段は慎重に歩く岩場の段差を1m下の雪までジャンプしてしまった。柔らかい雪と落下のエネルギーの組み合わせは当然最悪で、腰上まで埋まってう。

雪崩に巻き込まれたら身動きが取れず死んでしまうの同じで、こうなると全く身動きは取れない。本当に死ぬんじゃないかと思うくらい動けなかった。

幸い手は自由に動かせたので、必死に目の前の雪を30分かき分けてようやく片足が抜けた。と思ったら、靴が脱げて雪の奥底に残置されてしまった。シエラの山奥で靴がないと死んでしまうので、更に10分雪を掘り靴を救出した。

教訓

雪山の短パンハイクは非推奨 食料は多めに

 

 

初めての海外ロングディスタンスハイキング。

1回目は何しても失敗します。

ちなみにうんこは何回も漏らしています。

 

失敗学のすすめ (講談社文庫)

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